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多種列挙 たしゅれっきょ synathroesmus | ||
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——『爺さんと僕の事件帖—机の中の秘密—』 1巻30ページ (しかくの/角川書店 あすかコミックスDX) |
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多種列挙は、語を重ねて表現を行うというレトリックです。実際には、「列叙法」や「列挙法」といったレトリックと、ほとんど同じものといえます。 |
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「多種列挙」というレトリックを、「列叙法」「列挙法」とほとんど同じものと考えるものもあります。一見するとバラバラに置かれているけれども、実はつながっている。そのばあいには、この![]() |
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もう1つ「多種列挙」と似たレトリックに、「類義累積」というものがあります。同じような語(類義語)を立て続けにならべたときには、この![]() |
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参考資料によっては、この「多種列挙」が使われる場面は限定されているとします。その場面というのは、ののしり(invective)や攻撃(attack)、非難(criticism)といったものです。 | |||||
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基本的に「多種列挙」は、ことばを積みかさねていくレトリックです。 | |||||
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多くのばあい「多種列挙」で並べられるのは、形容詞や名詞(句)です。たしかに形容詞の連続についてのみ、「多種列挙」とするものもあります。ですが一般的には、形容詞だけでなく名詞句を含むものとされます。 | |||||
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引用は『爺さんと僕の事件帖』1巻から。 主人公は、「中寺逸実」という少年。 彼の友だちのグループは4人。「鳥居護」という大阪弁の少年。「清水清香」というちょっと強気な少女。「今河真知子」という少しこわがりだけど霊感をもっているみたいな女の子。あと、主人公の「中寺逸実」本人の合計4人。 彼らは、一匹の猫を拾う。そして、その猫を飼う場所として、廃屋となっている家を見つける。 そして4人のグループは、そこに猫を放してくるために、廃屋へと向かうことにする。 しかしその廃屋は、 という、ちょっと怖いところ。 だけれども、「逸実」と仲間たちは、そこに猫を放すことに決める。そして、問題の廃屋へ向かう。 しかし実際には、その廃屋には「人が住んでいる気配」があった。それに先月分の「電気料金の領収書」もあった。その家は本当は「廃屋」ではなく、誰かが生活しているらしい。 でも「雨戸やら釘付けよってからに…」(20ページ)という、やはり風変わりな家であることには変わりない。 さらに「逸実」は、その廃屋(?)に猫を置き去りにしてしまった。 というわけで、引用の部分になります。 斯くしてということでもう一度、あの廃屋に向かうことになる。「放課後探偵団」という、今日限りの名前をつけて。 そこで使われている、 受動的消極的済し崩し的にという部分を、「多種列挙」と考えます。似たようなことばを並べたもの、といえるからです。 |
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この「多種列挙」は、かなりマイナーなレトリック用語です。そして「多種多様」は、だいたいのところ「列叙法」「列挙法」「類義累積」のいずれかに当てはまります。 ですので、とりたてて「多種列挙」というものを1つのレトリック用語とする必要はないのかもしれません。けれども、『レトリック事典』が項目としてあげているので、一応レトリック用語としておくことにします。 |
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「形容詞」を集めたモノは、まちがいなく「多種列挙」です。そして、「名詞(句)」を列挙したばあいにも、(ふつうは)「多種列挙」に含まれます。 ですが、引用した例文は「形容動詞」の集積です。これは、「多種列挙」に含まれるのか。 以下は、私の個人的な考えかたですが。 「形容動詞」の積みかさねは、「多種列挙」に含まれると考えます。 理由その1。 ヨーロッパの言語には、形容動詞がない(はず)。「形容動詞」の役割を担っているヨーロッパの品詞は、「形容詞」だといえる。なので広く考えれば、「形容動詞」は「形容詞」に含まれると考えてよいと思われます。 理由その2。 日本語の文法をどのように定義するかについては、「形容動詞」を認める立場は少数派です。「形容動詞」という品詞を認めているタイプは、少ないのです。「形容動詞」は「形容詞」のうちの1つであると考えるのが一般的です。くわしくは、[Wikipediaにある形容動詞のページ]をご参照ください。 |
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多種列挙 | |||
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語集積 |
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列叙法、列挙法、敷衍、物尽くし(類装法)、花尽くし、揃物、国尽くし、貝尽くし、漸層法(広義の)、漸層法(狭義の)、漸降法、連鎖漸層法、飛移法、頓降法、類義累積、点描法 | |||
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日本語で書かれた本の中では、この本がいちばんくわしいと思います。例文がいくつも載っているのもポイントです。 | |||
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今回の「多種列挙」のようなマイナーなレトリック用語については、インターネット上で見つけることもできます。 | |||
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今や、だれもがインターネットを使っています。インターネットの中から、自分が知りたいレトリック用語を引き出すことも十分にできます。 この「多種列挙」のページも、かなりの部分でネットの情報を参考にしています。 ですが、問題は1つあります。それは、たいていレトリック用語の説明は、英語で書かれているという点です。そしてハッキリ言って、私(サイト作成者)は英語が苦手です。 いちおう辞書を引きながら日本語訳を作ったあとで、「多種列挙」のページの作成を始めています。ですが、その日本語訳がどのくらい正しいモノなのかと尋ねられたら、「あまり自信がない」と答えざるをません。 |
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