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軽蔑語 けいべつご pejorative, invective | ||||||||||||
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——『けんぷファー』1巻72ページ ([原作]築地俊彦・[キャラクター原案]せんむ・[作画]橘由宇 /メディアファクトリー MJコミックスアライブ) |
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軽蔑語は、正面から相手をなじるレトリックです。つまり、包みかくすことなく強いことばで攻撃するものです。 |
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相手がもっている弱点に対して、非難するとか軽蔑をするといったことができます。 | |||||
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「軽蔑語」の使い方としては、相手をけなすことがあげられます。つまり、口汚くののしったり中傷することばをならべたりすることになります。 | |||||
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相手のことを軽く見る、といった姿勢によって「軽蔑語」を使うこともできます。 | |||||
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「軽蔑語」を使うと、たいていの場合は野蛮で荒っぽいものになります。ですので、使いすぎには注意が必要です。 | |||||
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「軽蔑語」は、面と向かって相手をののしる言葉です。そのため何度も使うと、その使い手の品性を疑われる危険があります。 | |||||
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このページの、いちばんはじめの画像は、『けんぷファー』1巻から。 主人公のナツルは、ある日突然「けんぷファー」になった。この「けんぷファー」には、2つのタイプがある。1つは青いブレスレットを持つ者。もう1つは赤いブレスレットを持つ者。 この色分けされたブレスレットには、意味がある。なにかというと、異なる色のブレスレットをつけたけんぷファー同志は戦って、相手を倒さなきゃいけないということ。なお、ブレスレットが同じ色の場合は、仲間になることができる。 さて、主人公のナツルは、さっそく自分と同じ青のブレスレットをしたけんぷファーを見つける。それが、紅音。紅音は、けんぷファーとしての戦いには馴れていた。なぜなら、ナツルがけんぷファーになるよりも以前から、けんぷファーをしていたから。 しかし紅音は、直情径行の性格が難点。ナツルからは「猛犬女」と(独りで)あだ名を付けられている。 そんな紅音とナツルが図書館にいる時のこと。とつぜん2人は、刀による攻撃を受ける。紅音は と言うが、ナツルは と、状況がよく飲む込めていないらしい。そこで紅音のセリフ、 となります。 けんぷファーとしての戦いが未熟のナツルは、いわば天然ボケ。これに対して、紅音がしっかりとツッコミをしているわけです。なので、このセリフの部分を「軽蔑語」の例としておきます。 |
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次の引用は、『殲鬼戦記ももたま』1巻から。
作品の舞台は、桃源島。 この「桃源島」という島には、とある伝説があります。それは、〈桃太郎〉は実在のヒトで、鬼退治をした〈桃太郎〉が退治したことによって国から褒美としてもらった。それが、「桃源島」というところ。そして、それ以来は代々〈桃太郎〉の子孫が、「桃源島」を支配している。とまあ、そういったような話が語りつがれています。 なので。現在「桃源島」を統治しているヒトも、みんなから〈桃太郎〉の子孫だと思われています。 そして。かたや主人公の、陸奥九世。 陸奥九世の生まれた陸奥家には、これまた伝説があります。その伝説がそんなものかというと、陸奥家は、〈桃太郎〉に「鬼退治」された〈鬼〉の家系。そして「桃源島」は、もともと〈鬼〉だった陸奥家の領地だった。そまあ、そんな昔話があった。そして陸奥九世は、〈桃太郎〉に奪われた「桃源島」を、〈鬼〉の領地として取りもどそうと思っています。 そういったわけで、陸奥九世は。「桃源島」へと向かう「桃源丸」という船にコッソリ乗り込んで、「桃源島」にたどり着きます。 さいごに、香椎守。 香椎守は、「桃源丸」をふつうの旅客フェリーだと思っていた。でも「桃源丸」は、「桃源島」へと向かう船だった。そのためワケも分からず、いきなり「桃源島」に連れてこられる。そして、香椎守には「殲鬼師」となる素質があると告げられる。この「殲鬼師」というのは、「桃源島」を〈鬼〉から守るための能力のこと。 かくして。香椎守は、「殲鬼師」を育てるための学校に入ることになる。なお、この学校は「桃源島」に建てられています。そして、この入学については拒否権や選択権はない。つまり香椎守は、かってに「桃源島」に連れてこられた上で、かってに「殲鬼師」を養成する学校に投げ込まれることになったわけです。 …とまあ。かなり省略したところがありますが、カンベンして下さい。なにせ『殲鬼戦記ももたま』には、たくさんの伏線が張られたり、舞台設定が複雑だったり…。そんなわけで、このくらいにしておきます。 それで。やっとのことで、「軽蔑語」というレトリック用語の説明に入ります。 香椎守は陸奥九世のために、バケツに水をくんで持ってきた。でも陸奥九世は、ひとりで「アイランド・リゾート」を満喫しているだけ。なので香椎守は、バケツの水を陸奥九世に浴びせかける。だが陸奥九世は、香椎守のほうを見向きもしない。 そして、陸奥九世のコメント。 俺の視界に無能とこのコメントは、「軽蔑語」というレトリック用語にピッタリです。正面切って、相手を攻撃するという言葉づかいをしています。
なお、引用したこのシーンには。 ほかにも、さまざまなレトリックが入りまじっています。ですが、このページでは「軽蔑語」というレトリックに関係するところだけを書いておくことにします。 |
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主人公は、「黒猫」というハンドルネームの女の子。本名は、「五更瑠璃」。なので「黒猫」は、もちろん本名ではない。けれども、みんなから「黒猫」と呼ばれているので、このページでも「黒猫」と書いていきます。 その「黒猫」が、マンガの持ち込みをするために出版社に来た。「黒猫」は出版社にアポを取って来ている。なので、部屋に通される。 そのあたりからが、引用したシーン。 ひととおり読むと、編集者は右のほうに書いたようことを言います。すべて「軽蔑語」にあたります。 自分が時間をかけて描いたものが、ボロボロに言われる。だからこそ「軽蔑語」の例に、ふさわしいと思います。 |
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『日本語練習帳(岩波新書新赤版 596)』(大野晋/岩波書店)によると、日本語には軽蔑語が少ないとのことです。 ヨーロッパの言語には、いろいろな軽蔑語がある。なのに、これを日本語に訳そうとすると、軽蔑語はかなり少ない。「あの野郎」とか、「あん畜生」くらいしかない。と説明されています。 |
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「擬物法」というのは、人間をモノ扱いするレトリックです。 人間に対してこの「軽蔑語」を使うばあい、人間を物にたとえるといった表現になりがちです。つまり多くのばあいは、人間なのにも関わらず、人間でないものであるかのように扱われるという表現になります。 その意味「軽蔑語」は、「擬物法」や「結晶法」といった、人間などを物などにたとえるレトリックに近いと言えます。 |
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軽蔑語 | |||
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卑罵語・軽卑語 | |||
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偽悪語法・毒舌法・悪化語・卑語 | |||
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露骨語法・卑称・侮蔑語・侮称 |
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擬物法、結晶法、擬人法、活喩法、呼びかけ法、婉曲語法 | |||
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レトリックの方面から、「軽蔑語」について書かれている本です(この本では「露骨語法」「偽悪語法」という名前で扱われています)。 | |||
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