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主辞内顕 しゅじないけん missing subjects (?) | |||||||||||||||||||||||||||||||
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——『ひとひら』1巻83〜84ページ (桐原いづみ/双葉社 ACTION COMICS) |
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主辞内顕は、本来あるべきはずの主語などが省略されるレトリックです。文脈から考えれば、主語は何のことだかハッキリ分かる。なので、言葉としては出さないということです。 | |||||
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日本語の使い手ならば、多くのばあい主語を省略してハッキリ表現しないものです。感覚的なものや主観的なものを伝えるときには、さらにその度合いが濃くなります。 | |||||
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英語などでは、主語に名詞(・代名詞)を何度も使います。ですが日本語では、主語を明らかにしない文が、たびたび出てきます。この「主辞内顕」の性質を利用することで、今まで以上に話にとけ込んでいくことができます。 | |||||
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主語を、ハッキリしたことばで言いあらわさない。これによって、主語があったとき以上に余韻のある文になります。 | |||||
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引用は『ときめきミッドナイト』1巻から。 主人公は江塔蘭世。ごくフツーの高校生。 ある日クラスメイトの中で、心霊現象が話題になった。どうも、廃墟の病院に「出る」らしい。というわけで、その「出る」といわれているものが本当に「出る」のかを確かめにいっているところです。 そして、この「出る」というのを「主辞内顕」と見ます。なぜならみんな、
もちろん、この「出る」は、「幽霊が出る」または「オバケが出る」というようなことを指しています。それは、どんな読者が読んでも、ハッキリと分かります。 ついでに書けば、「言わないでおいたほうが、神秘性が高まる」というようなことが言えるかもしれません。 そんなわけで、クラスメイトたちは、みんな「出る」というだけで会話が進んでいます。 |
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ヨーロッパの言語は、ふつう主語が分かりきっていても代名詞を置きます。だけれども日本語では、そういった分かりきった主語については省略してしまいます。 そういった、主語を省略するという日本語にだけある作法を、「主辞内顕」といいます。 |
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この「主辞内顕」というレトリック用語は、小林英夫氏が名づけたものらしいです。『日本語レトリックの体系』には、そのように説明がされております。 ですので、西洋から渡来したレトリック用語ではありません。英語名として上に書いた“missing subjects”というのは、厳密に言うと「主語の省略」という訳になります。「日本語には、主語の省略が多い」とかいう時に使う「主語の省略」に当たります。 |
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主辞内顕 |
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省略法、語頭音消失、語尾音消失、語中音消失、脱落、断叙法、連辞省略、要語省略、情報カット、警句、黙説法、頓絶法、中断法、名詞止め、異例結合、名詞提示、場面カット、沈黙表示、省略表示、![]() |
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著作集では、この巻がいちばん「主辞内顕」についてくわしく書いてあります。志賀直哉について書かれているあたりに、「主辞内顕」が登場します。 | |||
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