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誤解誘導 ごかいゆうどう mislead | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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——『ペパーミント・グラフィティ』 [上]97ページ・[下]131ページ (柊あおい/集英社 りぼんマスコットコミックス) |
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誤解誘導は、読者にウソを本当であるかのように思わせるレトリックです。これによって「懸延法」を通り越して、誤った思いこみにまで読者を誘い込みます。 |
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わざと情報を出さないでおくことで、読み手(聞き手)の誤解をまねくことになります。 | |||||
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間違った思いこみをさそうため、意図的に必要な情報を与えないでおく。これによって「情報待機」を作り出すことになります。 | |||||
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「誤解誘導」であることを、読み手(聞き手)にばれてしまわないことが重要です。そのため、細かい部分まで作り込んでおかなければなりません | |||||
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例文は『ペパーミント・グラフィティ』から。 「伏線」の解説のときにも同じことを書きましたが、この「誤解誘導」の解説をするのは、はっきり言ってネタバレです。まさか、サイトを見ている人を「誤解誘導」によって誤解させたままにしておくわけにはいきません。当然、「誤解だった部分の本当の意味を知る」シーンも書かざるを得ません。したがって、ネタバレです。ご容赦ください。 まず【(上)——中学生の時の回想シーン】から。 中学生のとき、蕗子は知之と、友達の関係にあった。 だが蕗子は、知之のことが好きになっていった。そこで、思い切って知之に告白をした。「好きなの」と。 しかし、返ってきた言葉は 「冗談………だろ」 (97ページ)というもの。それを蕗子は、つき合うことへの断りを意味する言葉に受け取った。だから、 と、冗談のであったかのように取り繕った。そして蕗子は、知之が自分に対して恋愛感情は持っていないんだと理解した。 その後すぐ、知之は、親の都合で引っ越していないくなってしまう。 で、【(下)——高校生になって再会したとき】を。 高校生になったある日、引っ越していないはずの知之に会った。どうやら親が離婚した関係で、もとから住んでいた街(つまり蕗子の住んでいるのと同じ街)に戻ってきたとのこと。 そのことをお互いが知ることになってから数日がすぎ。知之は蕗子に「話があるんだ」(129ページ)と言う。 そこでの知之の話が、引用の(下)のシーン。 (知之の言葉は、画像では大きさの都合で一部しか掲載できませんでした。でも、実際に知之が話した言葉は下に書いたとおりの長いもので、129〜132ページにわたっています)。 とのこと。このようにして、「冗談だろ」という言葉の本当の意味を知る。知之も蕗江のことを好きだったんだ、ということを知るようになる。そして、 と、今度は誤解をさせないような言葉で、知之が蕗江に告白をする。 …やっぱり、作品ネタバレでした。「伏線」の解説の時と同じで、ネタバレになりました。 でも、だいじょうぶ。引用は、作品中の「Part3」の部分からだけです。「Part3」以外の部分は問題なく楽しめます。 作品に興味を持った人は、本1冊を通して読みましょう(と、広告をしておけば許してもらえるか? ネタバレを…)←また書いてる。 いずれにしても。 引用の【(上)——中学生の時の回想シーン】では、「冗談だろ」という言葉を出す。これによって、断られたんだと蕗江は誤解する。そして読者も、蕗子と同じように誤解をする。 そして、【(下)——高校生になって再会したとき】の部分で、「今でもきみが好きだ」と言ってもらう。これによって蕗江だけでなく読者も、今までの「断られた」という誤解が解ける。 このように、蕗江という登場人物だけでなく読者までも誤解に巻き込むレトリックが、「誤解誘導」にあたります。 |
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この「誤解誘導」は、「反照法」や「照応法」などと同じように、作品全体の配列に影響を与えるレトリックの一つです。同じように配列に影響を与える「情報待機」とも近い関係にあります。 漫画にもページがあってコマ割りがある以上、順番に従って読むことになります。そこで、わざと本当のことを最後のほうに置くことによって、はじめは与えられた情報を出さないというレトリックがあらわれます。これが「誤解誘導」です。 なお、英語名はとりあえずmisleadにしておきましたが、正式な英語名は調査中です。 |
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誤解誘導 |
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反照法、照応法、懸延法、伏線 | |||
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「誤解誘導」に関する本は、この本1冊で十分だと思います。個人的な考えだけれども。 | |||
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