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倒置法 とうちほう hyperbaton, inversion | |
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あたしは 知らなかった… 昴治と祐希のことも 現状も これから起こることも あたしはただほっとしていた 避難できたことじゃなくて—— そういうことじゃなくて—— |
——『無限のリヴァイアス』1巻49ページ (栗橋伸祐・矢立肇・黒田洋介 /メディアワークス 電撃コミックス) |
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倒置法とは、ことばの順番を、普通とは逆のものにすることです。つまり、一般的な語順に逆らって、ことばの場所を変えるものです。言いかえれば、通常の語順をひっくり返すレトリックです。 | |||||
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この「倒置法」は、伝えたいことを強調するためなどに使われます。このばあい、後ろに来た文が強調されます。 | |||||
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コトバの順序が、入れかわることになります。ですので、受け手(聞き手・読み手)にとっては意外性のあるものとなります。 | |||||
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詩や俳句などで、感情や感動をあらわしたい。そんなときには、ありのままに表現するために「倒置法」を使うことがあります。韻を踏むなどの都合で、倒置になることも多く見られます。 | |||||
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とくに詩などでは、コトバの位置を入れかえることがああります。これは、韻を踏んだり音の長さを整えたりするのに「倒置法」が役立つためで。 | |||||
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受け手(読み手・聞き手)を、カンタンに引きつける。その方法として、「倒置法」が役に立ちます。 | |||||
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気分が高まったり、感動したとき。その感激や驚きを伝えるのに役立ちます。 | |||||
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あることばを、自然な位置からほかの位置へと移すものです。 | |||||
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一般的な語順に逆らって、ことばの場所を変える。そうすると、日本語の文では、ふつうの(日本語の)文では、述語が最後に置かれます。ですので、これに逆らって述語に当たる部分を先に出してきて、主語に当たる部分を後にもってくる。それが、基本的な「倒置法」のかたちです。 | |||||
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たいていのレトリックがそうであるように、「倒置法」を事務的な文で使うことは避けるべきです。 | |||||
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意識的に「倒置法」を使うと、効果を発揮しやすいレトリックです。これは、日本語のリズムが単調なためです。ですが基本的に「倒置法」は、文のレベルで位置を変えるという大がかりなレトリックです。そのため、これを乱用すると、何が言いたいのかが分からなくなってしまいます。 | |||||
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引用は『無限のリヴァイアス』1巻 このコミックスのほうでは、「蓬仙あおい」が主人公。 その蓬仙あおい達は、宇宙にある航宙士の訓練所(リーベ・デルタ)で訓練を受けながら生活をしていた。しかし突然、事故が発生。とりあえず中央にある宇宙船(リベール)に避難することになる。しかし、同じ訓練所にいたはずの幼なじみの相葉昴治が、避難してきていない。 が、ギリギリのところで昴治は避難できたことを、あおいは知る。それを知ったときの、あおいの独白が引用のシーンです。 あたしはという引用したところは、文が逆さまになっています。「あたしは知らなかった…」で終わりかと思ったら、つけ足したように「昴治と祐希のことも 現状も これから起こることも」という文がついてきます。この部分が「倒置法」にあたります。 いちおう、これが「倒置法」であることを確認しておきましょう。 本来ならば 昴治のことも祐希のことも 現状も これから起こることも あたしは知らなかった…。というように、倒置になっていた文章が文の流れどおりに戻ります。ですので、これは「倒置法」に分類されます。 |
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「倒置法」とは、ことばが「普通」・「一般的」・「通常」・「自然」な位置とはひっくり返っていることをいう。そのように定義しました。 ですがまあ、実をいえば。 ことばの順番が、「普通」だとか「一般的」だとか「通常」だとか「自然」だとか。そういうことを厳密に考えるのは、大変なことです。 はたして、いったい何が「普通」なのか。それは、一見すると簡単な疑問のように思えます。ですが、深く考えてみると、とても哲学的で、すぐに答えの出る問題ではありません。 まあとりあえず、そんなことを深く考えるのことは、やめておきます。そうでないと、「倒置」というものがどんな状態なのか分からなくなってしまうからです。 |
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日本語の場合には、この「倒置法」というものを考えるのは、少しやっかいです。というのも、日本語の性質として「ことばの順番についての決まりが、ほかの英語などよりも緩やか」だからです。 日本語で語順に関する規則は、次の2つしかありません。
つまり日本語は、ことばの順番についての「しばり」が、あまり強くないのです。わりと自由に、単語のならびかたを変えることができるのです。 そんなわけで「倒置法」は、日本語に簡単に当てはめて考えてみることができないものです。なので「倒置法」は、やっかいなレトリックでもあります。 |
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「倒置法」を使うばあいに、気をつけなければならないこと。それは、「使いすぎると、意味不明の文章になってしまう」ということです。 これまで書いてきたように「倒置法」というのは、ことばの順番を「普通」とはひっくり返して使うことをいいます。なので、どうしても「不自然」な文ができあがります。「不自然な文章」というものは、とあるレベルを過ぎると「意味不明の文章」になりかねません。ですので、そのあたりには気をつける必要があります。 もちろん、1つくらい「不自然」な文があったとしても、読んでいる人・聞いている人が伝えたいことをキャッチできます。なので、なにも問題なくコミュニケーションをすることができます。 もっといえば、印象を強くしたい文をワザと「倒置」にする。そのことによって、読んでいる人・聞いている人が「倒置」されている文章のところで、なにかしらの「不自然さ」を感じとる。そうやって、印象を強くしたいという目的をはたすこともできます。 また、日ごろいつも実際に交わしている「会話」。この「話しことば」のなかでは、実際にはとても多くの「倒置」が使われています。ですが、たいていのばあいには、ちゃんと意見のやりとりが成りたっています。 ですが。 そのように使われている「倒置」というものが、文法のルールどおりのものではないということ。そのことは、十分に気をつけておく必要があります。たとえば文章を書くときには、ムダに「倒置」を使うということはしないほうがいいでしょう。というのは、もし必要以上に「倒置」があると、それは「不自然」な文であるばかりでなく、とても読みづらい文章になるからです。 |
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「倒置法」は、文章の中でコトバの順序を入れかえるものです。これにたいして「追加法」は、いちど終わった文に、さらにつけ足しをするというレトリックです。この「倒置法」と「追加法」は、ほとんど同じことを意味します。 ですが、いちおう「倒置法」は倒置していない状態に文を戻すことができる。これに対して「追加法」は、「倒置法」のように逆転することができない。そのように分けることができます。 |
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単に話し手の思いついた順番に言葉を並べた結果、普通の文法と異なる語順になってしまった、ということもあります。はたして、このようなものまで「倒置法」として、レトリックに含めるかどうか。これについては、議論の分かれるところです。けれども基本的には「倒置法」に入れないとされています。 | |||
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倒置法・倒置 | |||
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転倒 |
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まれに「倒置法」が、「倒装法」を意味するレトリック用語として使われることがあります。この2つは性質が似ているうえ、「倒装法」というレトリック用語がマイナーだからです。このサイトでは「hyperbaton, inversion」には「倒置法」をあてて、「hypallage」には「倒装法」をあてることにします。 | |||
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語順操作、代換法、転移修飾語、倒装法 | |||
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一見すると、子供向けの本に思われるかもしれません。ですが、取りあげているレトリック用語の説明は、かなりていねいです。「です・ます体」で書かれているので、人によっては合わないかもしれませんが。 | |||
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「倒置法」について、1つの章を使って説明してあります。かなり重視しています。追う」を使ったばあいの効果についての記述も多いので、参考になります。 | |||
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今となっては、昔のことですが。『無限のリヴァイアス』というアニメが放送されていました(1999年〜2000年)。 この『無限のリヴァイアス』を見ていた人(それから、『無限のリヴァイアス』のコミックを読んだ人)には、すぐわかることが1つあります。 それは、各話のタイトルが「ひらがな」になっているということです。 参考までに、アニメ版のほうのタイトルを書いてみますと、 Sere1 きたるべきとき…明らかに意識して「ひらがな」になっています。 このワザと「ひらがな」になっているという点は「字装法」というレトリックにあたります。 (「字装法」については、そちらを参照してください) |
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ここから下ではレトリックと関係のない話をするので、読み飛ばしてかまわないですが。 よく「ルクスン・北条」は、「北条家24代の3男」だと言っている。 これは、「北条早雲(伊勢長氏)」からはじまる、いわゆる「後北条氏」の24代ということを言っているのかどうか。そのことについてを少し考えてみます。 なお、「後北条氏」というのは、戦国時代に関東地方を支配していた「北条氏」のことです。これは、鎌倉時代に執権だった「執権北条氏」と区別するためにつけられている呼びかたです。 で、検討。 まず、作品の時代設定を見てみると、「西暦2225年」ということになっている。 他方で、北条早雲(伊勢長氏)は西暦1432年に産まれたとされている。 なので、引き算をしてみると、「2225年−1432年=793年」となる。つまり、「後北条氏」の1代目の北条早雲(伊勢長氏)から、ルクスン・北条の親にあたる24代目にまで受け継がれるのに、793年ほどかかっているということになる。 そこで、今度は割り算をしてみる。つまり、「793年」の長さで「24代」を受け継ぐことができるのか、ということを考えてみる。そのための割り算です。 すると、「793年÷24代=約33年」ということになる。 これはつまり、1代が33年ごとに入れかわっていることになる。言いかえれば、次の当主になる子供が、33年のサイクルで産まれている計算になる。 これは、不可能ではない。不可能ではないけれど、私の受けた印象では、少し長いと感じた。というのは、家系の計算をする場合にふつう、「1代」は「25年程度」と計算することになっている。つまり、次の当主が産まれるのは「約25年」という長さが一般的なのです。 現に、
ただ、氏直が高野山に追放されたあと、死去するに際して、いとこの氏盛に家督を譲っている。そして、この氏盛の子孫は狭山藩北条氏として大名に列せられている。 そして、この「氏直」と「氏盛」との家督相続のとき、年代にズレが出ている。たった15年の年の差での相続が、おこなわれているのです。 こういった、原則からはずれた年の差での当主の交代が起きることがあります。なので、「25年程度」というのは、たんなる目安でしかありません。 そのように、「25年程度というのは、目安でしかない」と考えると、「約33年」というサイクルも、不可能ではない。無理だとはいえない。晩婚化でも進んだりしたのなら、むしろ、自然なのかもしれない。 なので、結論。 「ルクスン・北条」は、「後北条氏」の末裔であると言える。ということにしておきます。 なお「狭山藩北条氏」は、明治維新のときに「子爵」となっています。ついでに書いておくと、戦後は「創価学会」で重要な役割を担っていきます。…どうでもいいことだけれど。 |
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