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人工言語・人工語
関連レトリック
人工言語・人工語
人工言語・人工語
じんこうげんご
conlang,artificial language
※アーヴ語で書かれているので、よくわかりません
英語式に表記すると、
[右]が[glak dadr]
[左]が[glak dadr 2]
と書いてあります。
おそらく
[右]が「星界の戦旗」
[左]が「星界の戦旗2」
のアーヴ語表記だと思われます。
-[右]『星界の戦旗—絆のかたち—』カバー見返し(森岡浩之・小野敏洋・サンライズ・WOWOW/メディアワークス 電撃コミックス)[左]『星界の戦旗II—守るべきもの—』カバー見返し(森岡浩之・宮越和草・サンライズ・WOWOW/メディアワークス 電撃コミックス)
人工言語・人工語
は、その名前のとおり「人工的に作られた言語」のことです。つまり、もとからあるわけではなく、人の手によって新しく作られた言語のことです。「人工語」ともいいます。この「人工言語」としては、エスペラント語が有名です。
異なる言語をもった人とコミュニケーションをとる
異なる言語をもった人と、コミュニケーションをとることができます。ですので、いろいろな言語があるせいで不便になっているところを、改善することが期待できます。
:コミュニケーション、伝わる、伝える、伝達、疎通、分かる、察する、解せる、通じる、了解、便利、有用、有益、実用、実用的、便益、利便
人工言語は、あまり広まっていない
人工語があまり広まらない理由は、2つあります。1つには新しい言語を覚えるとなると、かなりタイヘンだということ。もう1つは、実際には英語がグローバル言語として使われているということがあげられます。
引用は『星界の戦旗』『星界の戦旗II』(いずれもコミック版)の「カバー見返し」から。
…「カバー見返し」からの引用はいかがなものかと思いました。けれども、コミック版の『星界の戦旗』『星界の戦旗II』の本文中に、引用するのにピッタリと当てはまるものが見あたりませんでした。そのため「カバー見返し」からの引用です。
で。
『星界の紋章』と『星界の戦旗』(原作:森岡浩之、イラスト:小野敏洋/宮越和草)には、人工言語が出てきます。言語学にくわしい人なら知っているに違いありませんが、「アーヴ語」という言語です。「そんなの知らないよ」という人のために、アーヴ文字(アース)の例を挙げると……、まず間違いなくHTMLでは表記できません。それは、アーヴ語が小説の中で作られた架空の言語なので、架空の文字を使っているためです。
細かいことを言えば、TRON仕様のOS「超漢字」では表示が可能らしいです。でも、そんな特殊な環境の人がたくさんいるとも思えないので、画像として示しておきます。アーヴ文字(アース)とは、次のような言語です。
(画像は「
ウィキメディア・コモンズ
」のものです)
しかしまあ、小説の中で人工言語を作り上げてしまうというのは、すごいというか、すさまじいというか…。
私の感想はさておいて、これが「人工言語」に分類される理由。
それは、もはやアーヴ語が一つの言語になっているということです。
この「アーヴ語」は『星界』シリーズの中で使われている独自の言語です。つまり、創作されたにすぎないものです。それにもかかわらず、一つの言語として体系を持っています(それは、創作された文字にもかかわらず「TRON」に登録されているという事実からもわかります)。ですので、アーヴ語は「人工言語」といえるものになっています。
このようなことから、「人工言語」の項目を立てて分類してみました。
ですが、引用したアーヴ語の意味については、私には確実には理解できませんでした。いちおうインターネットと1日ほど向き合った結果、
[glak]が「旗」の意味であることは、ほぼ間違いない。
[dadh]が「星界(通常宇宙)」の意味であることも、ほぼ間違いない。
[dadr]の語尾[-r]は、「〜の」を意味する格変化をしたものではないかと考えられる。
以上のことから、「星界の戦旗」「星界の戦旗2」のアーヴ語だということにしておこう、という結論に達した。
ということしか書くことができません。
確実なことを知りたい人は、もっとアーヴ語に堪能な人に聞いて下さい。
たぶん「人工言語」はレトリック用語ではない
「人工言語」という言葉は本来、レトリックでは扱わないタイプの用語です。たとえば、エスペラント語の第一人者といえる言語学者の三宅史平氏は、『小林英夫著作集1-言語学論集1-』(小林英夫/みすず書房)の中で、次のように述べています。
言語の研究をしだいに深めていくにつれて、言語進化における人類の想像のもつ真の意義を悟るようになった。そうして現在では、人工語の研究が言語研究および言語教育にとって不可欠であることを確信している。
小論「一言語学徒の人工語観」より
(氏は「人工語」と書いていますが、これは「人工言語」と同じものと思われます)
なお、この小論が『小林英夫著作集』に収められているのは、三宅史平氏がエスペラント語で書いたものを、小林英夫氏が和訳しているためです。
つまり一言でいえば、「人工言語」はレトリックに分類するかどうか判断が難しいものだということ。それを、まずはじめにお知らせしたかったのです。
言語学では、「人工言語」をさらに、
創作語
-要素的記号もその組み合わせの方法も、ともにまったく個人的な創作によるもの。
(初期にこの種の言語がいくつとなく考案されたが、すべて衰退してしまっている)
修正語
-言語に含まれている一切のの不規則な変化をを削り去って、学習や記憶をしやすくしたものもの。
(ポーランドの眼科医ザメンホフのはじめたエスペラント語が有名)
統制語
-言語の自然的な変化を認めつつも、そこに自然に生じる不規則な部分に人工的な統制を加えたもの。
(インドの文法家パーニニの整理したサンスクリット語が有名)
に分けるという主張もあります(小林英夫氏の前掲書を参照)。しかし、ここまでくると完全に修辞学を離れて、言語学の他のカテゴリに入ってしまいます。ですので、「レトリック」を扱っているこのサイトでは、紹介のみにとどめておきます。
なお、英語名の「conlang」は「constructed language」の省略したものです。直訳すれば「構築された言語」といったところでしょう。
なのに「人工言語」というページが作られている理由
このように「人工言語」は、「レトリック」というよりむしろ「言語学」に分類されるものです。しかし、今回はレトリック(修辞学)の項目の1つとして採用しました。
それは、ひとえに「アーヴ語」というものが創作されていることによります。この1つだけ有名な「人工言語」があるので、このサイトの中で紹介しておくことにしたわけです。
私(サイト作成者)は、あまり「アーヴ語」関連にくわしくありません。ですが、それでも「アーヴ語」が緻密に作られているという話を耳にすることができるほど、しっかりとした「人工言語」なのです。そういったわけで、この「人気言語」というページは作られました。
レトリック(修辞学)は言語学の一分野なのだから、一般的には修辞学に含まれない「人工言語」をとりあつかったとしても、たぶん大丈夫だし。
いちおう「アーヴ語」について調べようとした
なお、私が言語学の「人工言語」についてかんたんに調べたところ。
あとから作り出された「人工言語」の場合、言葉や文法が、もとからある言語から採られていることがふつうのようです。
アーヴ語も、上代の日本語から再構成されています(もちろん、大規模で通時的な変化があるけれども)。例えば、皇族の名をあらわす「アブリアル」という氏族名は、「アマテラス(天照)」が語形を変化したものとされています。小説版の『星界の紋章III-異郷への帰還-』(森岡浩之/ハヤカワ文庫)205~206ページを読むと、そう書いてあります。
どこをどんなふうに変化すると「アマテラス」→「アブリアル」になるのかは理解しがたいものに思われます(たぶん、私が無知なだけだからですが)。まあとにかく、そういう設定になっています。
人工言語・人工語
『小林英夫著作集』(小林英夫/みすず書房)
いろいろなところに、「人工語(=人工言語)」の解説があります。
『星界』シリーズについて
なお、個人的な意見としては。
もしもまだ『星界』シリーズを楽しんでいないのだとしら、早川書房から出版されている「文庫版(ハヤカワ文庫)」の原作のものから読んでほしいというのが私の希望です(「
類義区別
」のページでも同じことを書きましたが)。
『星界』シリーズは、アニメやマンガ、ドラマCDなど、いろいろな方面に「メディアミックス」しています。
しかし、いちばん原点にあって読者を引きつけるパワーがあるのは、ハヤカワ文庫版の『星界の紋章』と『星界の戦旗』だと思います。
ですから、興味のある方は「ハヤカワ文庫」からスタートして下さい(ちょうど作者が遅筆のためやや古い本になっているので、中古ならば1冊100円くらいで手に入れることができるかもしれないし)。
果てしなく「駄文」
以下はどうでもいい話ですが--。
さきほど、上で「メディアミックス」と書きました。この「メディアミックス」のほうがよく使う言葉だという気がします。「メディアコンプレックス」という言葉はあまり使われない感じがします。
『広辞苑』にも、「メディアミックス」は載っているのに「メディアコンプレックス」は載っていない。googleでも「メディアミックス」は約10万件ほど出てくるのに、「メディアコンプレックス」のほうは約3万件しか出てこない。
…ただ、個人的には「メディアコンプレックス」のほうが、英語の本来の意味に近いという気がするのです。なんか「mix」と言うと、ミキサーにかけられて混ぜられている感じがする。なので、「complex」という言葉のほうが正しいと思うのです。
ただ日本人の感覚からすると「ロリコン」や「マザコン」をイメージしてしまい、さらには精神分析学の「強迫観念」までイメージしてしまう。だから、「complex」という言葉が広まらなかったのかも知れない。
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